毎月1冊、那珂川市図書館の司書おススメの本を紹介します!
『ミステリな食卓』
碧野 圭/著 双葉社 [913.6アオ]
ミステリにおいしい食事はよく似合う。探偵はbarにいるし、食堂にはたいてい名推理が光る店主か常連がいる...。今回もそんなミステリ×美食な一冊、6つの短編アンソロジーだ。
料理教室に通い、彼氏好みの完璧な料理を出したことで、別れを告げられてしまった女性の謎(「はちみつはささやく」)や定年退職後の無趣味の男がようやく見つけた趣味の中で出会った男の謎の行動の意味(「バスを待つ男」)など、あつかう事件は日常の中のささやか系から殺人事件までさまざまだ。そして全ての短編に美食があふれている。アルムドゥドラーはぜひ飲んでみたいし、名月庵のこだわり蕎麦も食べてみたい。加茂ナスの漬物もきっと美味だ。
おどろおどろしくなく全編後味がさっぱりしているのも魅力の一つ、6編とも作者やテイストが違うので、ミステリ初心者も味見しやすいかも⁉
那珂川市図書館司書(ぐり)
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