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12月の司書おすすめの1冊

12月の司書おすすめの1冊

23.11.27
毎月1冊、那珂川市図書館の司書おススメの本を紹介します!

   

『「よく見る人」と「よく聴く人」』
広瀬 浩二郎、相良 啓子/著 岩波書店 児童書[369ヒロ]

 この本は、目の見えない広瀬さんと耳が聞こえない相良さん、二人の研究者による共著です。学生時代の様子や進路を決めたいきさつ、就職してからのこと等について、二人が交互に語る形式で進んでいきます。多くの苦難を乗り越えるために大変な努力をされてきたのはもちろんですが、読み進めるごとにそのパワーに圧倒されます。研究の聞き取り調査のために日本各地へ出向いたり海外留学をしたりと、とにかくポジティブな実行力には驚くばかりです。
 障がいを持つという点では同じでも、全盲の広瀬さんと感音性難聴の相良さんではその生活が全く異なり、コミュニケーションの取り方も違います。 「この本は広い意味で人間のコミュニケーションについて考察するのが狙い」であると広瀬さんは言っていますが、お互いをどうにか分かり合おうとする工夫は、誰もが必要とすることではないでしょうか。

 那珂川市図書館司書(ひ)

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