「沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う」
山舩晃太郎／著  新潮社

　水中考古学という分野を知っているだろうか。その名の通り、水の中に沈んだ遺跡を発掘調査する学術研究のことである。
　小学校から大学まで野球漬けだった著者が研究者を目指したきっかけは"読書"だった。
　大学でたまたま読んだ水中考古学の本で衝撃を受け、様々な学術書を読んでいた。その中の1冊に脱サラして留学した日本人の自伝的本があり、自分も留学したいと思い留学の手続きなどを友人に手伝ってもらい渡米した。しかし、中・高の英語のテストで20点以上をとったことがないくらい英語ができないため、言葉の壁にぶつかりすぐに後悔をする。言語学校に通い英語を勉強し専門用語を身に着け今では世界各国を飛び回る水中考古学者となった。
　この本は、実際に海賊船だと思っていたが調査すると奴隷船だった！など世界各国の沈没船の発掘調査の方法や結果、その時の苦労話なども知ることができる1冊だ。

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