『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』
湯澤 規子/著 角川書店
もうひとつの『女工哀史』が存在した!
近代日本の労働力となった女工。厳しい環境とその悲惨さが固定されたイメージだが、「わたし」を主語にして語る日常は、自分のお金で物を買う喜び・市場で焼き芋を食べる楽しみが生き生きと輝いている。その100年前のアメリカには、過酷な労働の中で工場の窓に貼ってある新聞記事の切り抜きを「窓の宝石」と呼び、知的な欲求に刺激を受ける女工たちがいた。
どのような時代に生まれても日常生活の中で「わたし」は主人公である。「わたし」の目で世の中を見つめ、生き方を探す女性たちの物語から歴史を浮き彫りにしようとする本である。
(図書館司書 りてさ)
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