『積ん読の本』
石井 千湖/著 主婦と生活社
読まずに本を積み上げることを「積ん読」というが、本が家にあるだけで安心してしまう私には耳に痛い言葉だ。たぶんそのうち読む本、いつの間にか増えている本、読んだけど読み返すかもしれない本など、積ん読で悩まされている人はぜひこの本を読んでほしい。
オールカラーで紹介される作家や編集者など12人の本読み達の積ん読はとにかく圧巻で、それぞれの積むに至る物語も個性的だ。玄関から壁に沿って移動し、書庫の山に入っていく池澤さんの積ん読タワー、文字通りけもの道を分け入るような本の森を持つ山本さんの書斎、ビオトープという概念を持つ小川さんの生態系としての本棚など、本を積むことは自然なことで、なんだか前向きな気持ちになってくる。間に挟まれるおすすめの本もなんだか気になるし、ますます積ん読が育ちそう。でも、大丈夫。積ん読は怖くない!
那珂川市図書館司書(ぐり)
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